長命寺概略

嘉永二年に謙信堂を移築した現本堂に上杉謙信の位聘を安置する真宗大谷派の名刹である。

 

 大樹に彩られた長命寺本堂

うっそうと茂る大樹に彩られた長命寺本堂

創建は弘安・正応年中と古い。文政元年には本山掛所御坊に定められ、「親鸞聖人真向きの御影」が伝わる。また、聖徳太子垂髪の御影十字名号二尊対座の御影が真宗重宝聚英に収められている。他、鎌倉時代の阿弥陀如来など什物多数ある。

 

 信濃赤塩郷の長命寺善乗(一名赤塩善仲)は上杉氏の招請により春日山に遷った。続いて上杉景勝の会津、米沢移封に供奉して米沢の谷地小路に仏舎を建立、知行三百石ほか小松、上長井、現在地を拝領し、鷹山が参詣の祈手植えした松の古木があった。

 

 長命寺と上杉家は名家四辻家を通じて血縁関係濃く、四辻公遠の娘桂厳(岩)院上杉定勝の母であり、その末弟で上杉一門の山浦玄蕃(光則)の次女が長命寺に嫁いだことによる。